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タバコ規制法も視野に(2010年1月)


最新タバコ事情83

 ある程度の時間は当然必要であったのだろうが、ハラハラ気をもませた末やっとタバコが4百円に値上げされることになった。抵抗に負けなかった鳩山さんの精一杯の決断にこころから感謝の意を表したい。
これだけのヘビィな薬物を、子どもたちがいつでも手に入る値段にしておくのは、日本国の将来を考えればとんでもないことで、一日でも早く手を打たなければならない喫緊の課題である。民主党政権がタバコ値上げを阻む「大きな黒い手」に不満足ながら、取り敢えずくさびを打ち込んでくれたことに心から感謝している。
 それにしても、最近のメディアはあまりに安き偏向報道に流れていないだろうか。今日本に起こっていることは「プチ革命」といってよい。既成の秩序にどっぷりと浸かった人たちに、今回の政権交代が不快なのはよく分かる。といって成熟社会では既得権益を守るためには何をしてもよいということにはならないだろう。メディアもその公共的使命を知悉のうえだろうが、スポンサーシップにひたすら隷属し、放送法違反に近い新政権批判を展開することには強い違和感をもつ。
今は、国のありかたを変えようとする時代の潮流と既得権益との根深い死闘が、外圧絡みで繰り広げられている歴史的なシーンで、おそらくその判断は後世に委ねられるものであろう。ただ、「このような革命に近いことが、血を見ることなく進むのは世界的には通常ありえない」と欧州の友人が真剣に感動していた。おそらく日本人特有の柔軟性によるものだろうという認識であったが、同感である。
 タバコ問題を考えていると、世の中が実によく見えてくる。大きく世の中が動こうとしている。新しい政治的秩序では「たばこ事業法廃止」もあながち夢の話ではなくなってきた。「タバコ規制法」も視野に加えたい。

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