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たばこ規制枠組み条約がついに発効(2005年3月)


最新タバコ事情63

 FCTC(たばこ規制枠組み条約)が2月27日発効に至った。日本は、この条約の署名に米、独とともに最後まで抵抗し、条約の成立を阻む悪の枢軸などと呼ばれた。
 しかし、署名から批准に至る経過では、国内から厚労省、日本医師会の他、NPOの強力な突き上げもあり、他の国々が驚くほど早期に名前を掲げることができた。時差の関係から、世界で一番早いFCTC発効国となったのも、何か誇らしい気がする。
 これからは条約の取り決めにより、タバコの健康被害の警告標示も「肺がんの原因の一つになります」「胎児への影響があります」などと書かれる。タバコ産業、財務省の意向を酌んでか、回りくどい表現にはさせられたものの「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」といった情けない添え書きはなくなった。
 この国際条約の眼目と言える条項は「広告の規制」にある。これから五年間で公共の場でのタバコの広告は消えてなくなる。駅近くで見るビル屋上の大きく派手な電飾広告も9月には全て撤去される。
 条約はタバコが徐々に日陰ものになるいろいろな取り決めに合わせて、タバコ消費抑制に最も効果がある価格値上げの実行を強く迫っている。これは、消費税が上げられない今の小泉政権では、最良の選択となる。子供たちが買いにくくなる600円程度まで、年100円くらいずつ段階的、すみやかな値上げが望まれる。
 安い値段で子供たちをつなぎ止めておきたいタバコ産業の思惑を、断じて許してはならない。これは、国民の健康にかかわる「政策の大転換」となるのだ。

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