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中高校生の喫煙率が低下(2005年10月)


最新タバコ事情67

 中、高校生の喫煙率が激減しているといううれしいレポートが出た。厚労省研究班による10万人の調査結果である。高校三年で00年から04年にかけて37%から21%に、中一男子でも半減している。
 実際に講演で学校めぐりをしていての感触でも、ここ数年中、高校が確かに落ちつきを見せている。今までは、私たちの講演の事前アンケートで喫煙率が30〜40%という高校が毎年2割くらいは必ずあったが、ここ3〜4年、急に数えるほどになってしまった。講演で「壊し」が入るような荒れた学校も、やはり急に、という感じで減った。
 新聞の論評では、携帯にお金がかかるのでタバコに使うお金がなくなったためとの推測であったがそうであろうか。理由のひとつに挙げたいのは、私達が八千代町で打ち上げた98年の日本初「青少年無煙の町宣言」。これは国内の、特に教育委員会や教育現場に間違いなく大きな影響を与え、各地の地方議会、教育委員会での学校内禁煙推進の大きな道標となり子供たちにとっての無煙環境作りが進んだ。02年に、和歌山県が全国に先駆けて公立学校敷地内禁煙を決定、わが茨城も二番手ながら翌年、石渡委員長のもと県教委が県内公立校禁煙化を打ち出した。
 これら、地域での流れに並行するタイミングで受動喫煙防止の健康増進法25条が施行された。更にたばこ規制枠組み条約の批准、締結が重なって社会全体に反喫煙の流れに対するリテラシィが高まり、子供たちの喫煙率に影響してきたのではないかと考えている。煙のない環境整備こそが、この現象の主役であろう。

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