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もう学校禁煙先進県ではない茨城(2004年7月)


最新タバコ事情58

 茨城県は学校敷地内禁煙を決定した自治体としては、和歌山県に次いで全国で二番目であり、子供たちの無煙環境整備の先進県として注目された。しかし、残念なことにすみやかな実施に抵抗する勢力があったようで、三年がかりの段階的施行となり、二年目の現在でも完全実施は中、高校では少数派にとどまっている。
 その間に、青森、愛媛、愛知県など七県は昨年度から、静岡、福島、宮城県、東京都など八自治体が本年度から敷地内禁煙となり、わが茨城は決して先進県などと言えなくなってしまった。
 毎週学校を回っているが「完全禁煙になるのは十七年度始めからになるのか、三月末からになるのか学校内でもめまして、県に聞いたところ三月の年度末までは良いそうですね」といった話など聞かされると情けなくなる。いまだに問題意識の希薄な学校が少なくない。子供たちを思えば前倒しに実施して当然の事なのだが…喫煙教師の声はまだまだ小さくないようである。
 それでも、「50分の授業が終わる前に、質問は?と聞くことに決めているが、禁煙するまではできれば質問がないようにと無意識に念じていました。でも今は質問が楽しみです。やはり、禁断症状が出ていて、早く終わりたいという気持ちが潜在的に強かったんですねえ」といったうれしい打ち明け話もある。
 学校敷地内禁煙は生徒たちへの教育的意味合いや受動喫煙防止の観点からだけのものではない。この環境整備は、先生方自身がニコチンの呪縛から逃れやすくなるという大きな効用がある。

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