目次 :2004年(平成16年) :


噛みタバコ、日本上陸(2004年2月)


最新タバコ事情53

 ファイヤーブレイクというガムタバコが昨年十月から都内コンビニ、私鉄沿線で試販され、売れている。禁煙目的に使われるニコレットとは違いガムにタバコの葉を粉にして擦り込んだ代物で、子どもでも何回か繰り返して噛めば、ちゃんとニコチン中毒になる「タバコの一種」である。
 発売元はスウェーデンマッチという会社だが、これは本国でも発売されていない新開発製品で、日本が世界に先駆けての試験発売先。常識的に考えて安全性を含めて慎重な検討がなされたと思うところだが、この製品は「タバコ」であるがゆえ、財務省の簡単な認可で即試売開始となった。同社は、この製品が東京都や厚労省の許可も受けているような説明をしていたが、それぞれは「法律上タバコであれば、財務省管轄事項ゆえ当方は関わりない」との対応だった。この見解の隙間をぬって「キシリトール入り」などといった清涼感、安全イメージを利用して食品感覚で宣伝を行い、順調な販売成績であるという。
 ガムでもタバコの葉が入っていれば発癌物質が含まれているのは明らかで、「タバコであるから厚労省や食品衛生法の規制など受ける必要はない」、という財務省の恐るべきおごりに対し私たちは強い憤りを感じる。
 同社はSUNUSという噛みタバコを主力とする会社だが、悲惨な口腔がんが多発するためEUでは販売禁止になった。ガムに見せかけた新たな商売を、タバコに無知な国に仕掛けてきたと言ってよい。厚労省も「国民に注意をした」という痕跡を残すためか、「健康に対する影響が懸念される」との見解をHPで流してはいるが、情けない話である。

2004年(平成16年) に戻る