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全国で禁煙支援を(2003年3月)


最新タバコ事情45

 医療界の話で恐縮だが、画期的な情報が飛び込んできた。日本呼吸器学会は会員一万名を擁する呼吸器学に関わる日本最大の学術団体だが、呼吸器専門医の資格はタバコを吸わない人にのみ与えることを理事会で決めたという。
 つまり喫煙者は呼吸器の専門医としては認められず、肺や気管の専門家たるものにタバコはご法度となる。また専門医には五年毎の更新手続きがあるが、喫煙者はその更新資格も剥奪される。嗜好品うんぬんという議論も多少あったようだが、この方針に反対者はいなかったという。あたり前にも思えるが拍手を送りたい。
 このところ禁煙社会に向かう流れは、その速度を急速に増している。和歌山県に端を発した学校敷地内禁煙が全国に急速に広がっており、近くは宇都宮市が追随、更に小山市でも決定したという。
 現在はニコチン中毒に対する治療法が革新的に進歩し、医療職にある者は容易に禁煙を支援できるようになった。
 宇都宮市では教育委員会の依頼を受け、市歯科医師会が禁煙を望む教職員を支援するために、大きな研修会を開催していた。
 茨城県医師会でも、これから急速に進むであろう県民の禁煙支援を大きなテーマに掲げた。医師会長は、県内全ての市町村の医療機関で、この「貼り薬を用いた禁煙治療」が受けられるようにする考えを明らかにしている。
 私たちの地域でも子供たちを守るため、できるだけ早期に学校敷地内禁煙を実現したい。そのためには大人たちが禁煙しやすい環境を整えるのも、医療界に求められた大きな責務であろう。

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