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喫煙生徒が謹慎処分で自殺(2002年9月)


最新タバコ事情39

 兵庫県の県立高校一年生が、終業式の日にトイレでタバコを吸っているのを教員に見つかり、校長らから厳しく叱責をされ無期限の謹慎処分を通告された。
 生徒はその4ヶ月前、テスト中にとなりの友人に答案を見せたのを「カンニング」と認定され、自宅謹慎処分を受け、その後反省日記を毎日続けて書かされていたという。
 喫煙を発見された直後の反省文に、「前回の処分のあとストレスを和らげるため喫煙を始めてしまった」と書いたため「ストレスがたまってタバコとは何だ」と責められたという。自殺は通告を受けた9時間後のことだった。
 この報道を聞き、学校の対応の貧しさに怒りがわいただけでなく、喫煙問題に無知な教育者たちに押しつぶされた生徒とその家族に同情を禁じえなかった。
 長期間に亘った反省文(高校では安易に用いられる指導手段らしい)にしても、反省猿が頭を掻くのと違って、繰り返し自己否定を強いることは、子どもを追いつめるイジメでしかない。自殺を誘う「うつ状態」に陥りやすく、とても危険なことだ。
 また、タバコがストレス解消や気分転換になるというイメージ宣伝を巷に溢れさせて喫煙を誘っておきながら、それに引っ掛かった生徒には厳罰を与える。
 しかし、罰でこの厄介な薬物習慣が解決できないことは明らかで、浅薄な処分に頼らざるを得ない学校教育の機能不全を垣間見るような、なんとも痛ましい話である。


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